Vol.3 【2004/09/10】
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自分のイメージで世界でたったひとつの和菓子を創る
『和菓子のオートクチュールを楽しむ』
和菓子老舗店「とらや」 -赤坂-
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今回ご紹介いたしますのは、日本でも老舗の和菓子店「とらや」さんです。1500年代後期、後陽成 (ごようぜい) 天皇の御菓子をお納め、それ以降、日本の和菓子の伝統文化を今日まで継承し芸術のいきまで高めた老舗店です。
虎屋さんで、オリジナルの和菓子を創っていただくようになったのは、今から15年前のことです。私自身の結婚式の引き出物用にご依頼をしたのがきっかけです。それから家族の節目のあるお祝い事などには、オリジナルの御菓子を贈答用として創っていただいています。和菓子がこんなに華やかで美しいなんて・・・と感激しながら、虎屋さんの和菓子の世界に私は引き込まれています。
季節限定のお菓子で私が好きなのは、「春の錦」(写真右)というお菓子です。緑とピンクと黄色の三色の色合いが本当に美しく綺麗です。桜型でとても愛らしく見ているだけでもいいくらい芸術的です。3月の後半の半月の限定販売ですから、3月が待ち遠しくなりますね。そして「花競(はなくらべ)」という押物菓子はとても繊細でまるで彫刻の美術品のようです。
私がよくお願いする品は薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)と「推古」という和三盆製のお干菓子(ひがし)です。
虎屋さんの薯蕷饅頭は山芋を使用した皮で創られます。これが深みのある上品な「あん」をとても引き立てます。もちろん化学調味料、合成着色料などは一切使用していませんのでいつも安心していただいています。
今年も、娘のバレエの発表会のときに、この薯蕷饅頭を注文しました。以下がその御菓子です。(写真参照)娘の名の直筆とバレエシューズの絵は私たちで書きました。私は、娘が発表会当日に履くサテンシューズをイメージして書きました。この「焼き印」の製作は約一ヶ月ぐらいかかります。色にもこだわりました。作品名が「ペパーミントワルツ」で、衣裳が優しいペパーミントグリーンの色でしたので、それに合わせて皮も淡いグリーンにしました。あくまでもわたくしの自己満足の世界ですが、私自身が毎回楽しんでいる次第です。
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【上】娘のバレエ発表会の御礼に創って頂いた薯蕷饅頭(中)とお干菓子(右)
上の「れみ」と書かれたお干菓子数点は 2004年2月号の「家庭画報」に掲載
2004年4月TBSテレビ「汐留めスタイル」でも放映されました。
【下】上のお菓子創りに使用する「木型」と「焼き印」
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※和菓子のオートクチュールの詳細はとらやさんにお問い合わせ下さい。 |
このわがままな、わたくしの注文を最大限活かしてお創りいただく、虎屋さんには、本当にいつも感謝をいたしております。ご担当の増田さまも、「こんな感じはいかがでしょう・・・。」「わたくしも一緒に楽しませて頂いていますから・・・。」といつも親身になって何回も打ち合わせをしながら丁寧に考えて下さいます。箱の上にかぶせる「のし紙」の色、そして文字の配置など、細部にわたるまで、納得のいくものを妥協せずに一緒に考えてくださいます。お店にお伺いするもう一つの楽しみは、いつも温かいお心配りでにこやかに対応下さる増田さま、社員のみなさまにお会いすることです。
虎屋さんでお願いする和菓子は、ひとつひとつを和菓子職人の方が創る丁寧な手仕事です。まさしく和菓子のオートクチュールです。オートクチュール houte couture(仏)とは、高品質の婦人服仕立てという意味です。近年は大量生産で多くの物がスピーディーにつくられる時代です。その中でも人間本来の手仕事に信頼を置き、質の高い丁寧な職人技にこだわり続ける虎屋さん。そして「和菓子は五感の総合芸術」「感性に響き心を伝える」という精神を大切に日本の美の感性・歴史と文化を伝えながら和菓子をつくっていらっしゃいます。
店名 |
虎屋 とらや |
所在地 |
本店:東京都港区赤坂4−9−22  |
連絡先 |
Tel 03-3408-4121 Fax 03-3401-6694 |
営業時間 |
※年中無休
8:30〜20:00(平日)
8:30〜18:00(土曜・日曜・祝日)
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