企業研修レポート
ハイアットリージェンシー東京
「和食レストラン 佳香」
・・・(前略)・・・
ホテルレストランは永きに渡ってのグルメブームや本格指向へのシフトチェンジも重なり、厳しい状況になろうかと危惧しております。 フレンチ、イタリアン、中国料理とある当社の中でも、静けさと心地よい温もりの織りなす日本料理店として社内外でも注目されており、期待が日に日に高まっております。
・・・(中略)・・・
そこにサービススタッフの高品質の所作が加われば、顧客の更なる満足度向上に繋がると確信しております。 今回、マダム由美子様の主宰される「バレリーナ・スタイル」を当店スタッフにご教授いただき当社の品質目標である“ハートメイドなおもてなし”を定着させ、よりソフト面を発展していきたいと思っております。 どうぞよろしくお願い申し上げます。
【2005年4月「日本料理 佳香」マネージャー中林様からのご依頼(当時)】
サロン指導と内容は基本的には変えませんが、日本料理レストランの和の部屋の雰囲気をより引き立てる指導に重点をおき、指導させていただきました。
- ● 立ち方/歩き方
- ● 所作、表情
- ● おじきの仕方
- ● お盆、お皿、箸などの扱い方
- ● 接客に関する考え方 他
これらのテーマを中心に月1〜2回、半年間の研修を担当させていただきました。
その模様は以下の通りです。
回を重ねる毎に雰囲気が見違えてくることを実感しました。
特にスタッフの方々のモチベーションが上がっていくのが顕著で私も楽しみながら担当させていただきました。
・・・(前略)・・・
「和・日本料理店」と「洋・バレリーナスタイル」。両極に対峙するように思えるこの言葉に共通点を見出すには難しいと思っていました。
マダムとお話しを重ねる毎に、この言葉を結びつけるexcuseを理解することが出来たのは大きな発見でした。
「【バレエ】と【能】のスタイル、所作は相通ずるものがあるのですよ。」とはマダムのお言葉・・・。
ホテルに勤める我々には、お客様が求める対価以上のサービスを用意しご満足いただかないと乱立する新規ホテルには太刀打ちできないと考え、マダムの想いをスタッフの「エキス」として注入できないか、と考えていました。幸い当店料理長の醸し出す味は高い評価を得られております。更にスタッフの「所作」「表情」などを取り入れれば今以上にお店が発展できると確信しました。社内の教育体制では限界もあり、専門的な知識や技術などではない「躍動感」「自分らしい美しさ」を学べる探し求め、幾度となくマダムに問うことでその答えが生まれてきました。
ホテルの日本料理店に勤務する私たち、特に女性スタッフ美しさを内から出せるようになって欲しい、という私の願いを、マダムは快く引き受けて下さいました。(しかしながら最初は洋と和の決定的な違いに不安を覚えていたのは言うまでもありません)
最初は半信半疑であったスタッフもレッスンを受ける前と後では、表情から歩き方まで違っており常連のお客様より、「皆の表情が変わったね。」「イキイキしている。」という有難いお言葉を頂戴するにいたりましたが、何よりも嬉しいのは、スタッフの一人一人の「意識」が変わったことです。
毎日が単調であると人間は顔の表情も暗くなり、伏し目がちになってしまいます。マダムの教えに「自分らしさ」という言葉がありました。スタッフ一人一人がこの「自分らしさ」を意識するようになり普段の仕草から変わったように想います。「自分らしさ」というのは千差万別でこれという決まり事はありませんが、意識を高め内から変化していくことで外面の部分もこれほど変化していくことに私自身が驚いています。
これで終わりではありませんし、人間とは欲求の固まりでもあります。マダムに入り口を教えていただき、さて、次はどうしようか?を思案を重ねる毎日です。
・・・(後略)・・・
【「日本料理 佳香」マネージャー中林様からのご報告・感謝文(当時)】
同ホテル全セクションで「佳香」がサービス向上第1位に!(当時)
研修終了後の2006年2月に、同ホテル品質管理推進課が同ホテル全30セクション(当時)が行ったサービス向上調査で「佳香」さんが1位になったこと、そして売上も順調に上がっていると伺った時は、お役に立てて本当に嬉しい気持ちでいっぱいでした。
- ほとんどのスタッフに改善に向けた熱意がくみ取られ調理とサービスが一体になっている感じが表に出てきた。
- 身だしなみに十分に注意し継続している。和服と調和した柔らかな笑顔と爽やかな挨拶が出来ていて他所の見本と感じている。
- 繁忙時に裏導線に顔を出しても、笑顔で明るい挨拶をしていただける。
- お客様を案内した際、入り口でのゲスト・ホテルスタッフに対する振る舞いが、以前と比較してとても向上していて好印象を受ける。
(2006年2月16日)センチュリーハイアット東京、品質管理推進課調査結果